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目標経営教室 第20回

単年度計画③ -売上計画(1)-

前回は単年度計画における『行動計画』についてお話ししました。
行動計画は、部署毎に立てることになりますが、その前提として全体の数値目標を部署毎に割り振ることが必要であり、それぞれの部署が十分に話し合って決めることが重要であることを説明しました。
そして、そこで決めた部署の数値目標を達成するための行動計画(アクションプラン)は“具体的”に立てることが重要でした。
その行動計画を“数値計画に落とす”ことにより、単年度計画の策定が完了します。


前回お話ししたように、行動計画は5W2H(“いつ”“どこで”“誰が”“何を“どのような目的で”“どのようにして”“どれだけの予算で”)に落として行います。
これを具体的な数値に現したものが、『単年度数値計画(予算)』となります。

 単年度数値計画は、中期計画と同様、関連した項目毎に、おおよそ以下のようなステップで策定します。
但し、中期計画より詳細に、また、月次の数値を策定することになります。

(1)売上計画
売上高、売上原価、変動販売費及び棚卸資産、売上債権、仕入債務
(2)人件費計画
役員報酬、給料手当、賃金手当、賞与、法定福利費及び賞与引当金、退職給付引当金
(3)設備投資計画
有形・無形固定資産及び減価償却費
(4)固定費計画
販売費及び一般管理費(変動費を除く)、営業外・特別損益
(5)借入計画
短期借入金、割引手形、長期借入金、社債等及び支払利息等
(6)その他資産負債計画
上記で計画しなかった流動・固定資産、流動・固定負債(未払税金を除く)、資本等
(7)税金計画
法人税、住民税、事業税及び未払法人税等、未払消費税等

これらを図で示すと、以下のようなイメージになります。

(1)売上計画
今回は、単年度経営計画における“売上計画”について解説しましょう。

(a)売上分類
売上計画では、売上をいくつかに分類して計画を立てることがポイントです。。
何度も言うように、数値計画は行動計画の結果を予測したものです。
したがって、行動計画(戦略・戦術)が異なる毎に売上分類を設定することが望まれます。
と言っても、あまり細かくすると手間がかかりすぎ大変です。単年度計画は、毎月の結果(実績)と比較することになりますが、そのときにどの程度の範囲で検討するか? それを考慮した上で分類するのがよいでしょう。
また、売上と同時に売上原価計画を立てますが、利益率が大きく異なるものを一つの売上区分で処理すると、売上の増減に対して限界利益が的確に算定されなくなってしまいます。したがって、利益率が大きく異なるものは別の売上分類に設定することが必要です。

(b)売上高計画
売上高の計画は売上分類毎に行います。
全社の年間売上高は、中期計画で出ていることと思います。また、部署別の年間売上高は、部署別に検討して、この段階では既に決まっているものと思います。
そして、その部署別に決まった売上を達成するための行動計画はもう立ててあるわけですから、それを売上分類毎に月次の数値に落としてゆくことになります。
とは言っても、“行動計画=数値換算できる”というものではありません。
通常は、前期の実績額を元に、外部要因による増減を考慮し、行動計画により特別に増減する要因にかかる金額を加減するという形で月次予算を策定します。
但し、元にする前期実績額は、前期特有の事情による増減額を取り除いて考えなければなりません。

また、できれば“数量×単価”という形で策定したいものです。同じ売上が増えるにしても、数量が増えるのか単価が増えるのかによって、利益は全然違ってきます。また、戦略も異なるはずです。

下図は、数量を20%増やした場合と単価を20%上げた場合との利益に与える影響を示したものです。
数量が20%増えた場合は利益も20%の増加ですが、単価が20%上がると利益は倍になるのですね。

 

下記は、私どもが通常使っている売上計画策定システムの画面を表示したものです。

年間売上高は23,000千円で、前年20,000千円に対し、115%となっています。
単価は簡易な方法として1,000円としていますが、6月と11月にはバーゲンをするため単価を若干低くしました。
数量は、前年の売上数量の推移と同様に設定しましたが、9月より新規ブランドの商品を投入するため、その分の数量を増やして計画を立てました。
その結果、各月の数量、単価、売上高は上記のようになりました。

このようにして、売上高の計画が策定することができるのです。
そして、この数値計画が既に計画している行動計画とリンクしているかを再度検討します。行動計画は、この数値計画よりもっと詳細に(日別、担当者別等)計画されていると思いますが、その行動で無理なくこの数値が達成できるかを考えましょう。
問題がなければ、原価計画に移ります。
(2)売上原価計画
売上原価計画では、売上高に対する原価率で策定します。
この場合、原価率を頭の中で想定した額だけで考えると、計画の結果が現実と大きく乖離してしまうことがあります。必ず前期の売上分類別の売上高×原価率を計算し、その合計が決算書の売上原価の額と近似値になることを確認した上で、その売上分類別の前期原価率を参考に計画するようにしたいものです。

上記では、前期の「婦人衣料 新宿店」という売上分類の前期原価率が62.0%で、当期も同様の原価率になると策定しています。
但し、6月と11月はバーゲンがあるので、原価率が70%に上がるとしています。

このようにして、他の売上分類についても同様に計画し、売上原価の計画が完成です。
売上計画のうち、在庫計画及び売上債権・仕入債務債務計画については、次回に解説したいと思います。

 

 

 

 

 

 

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