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目標経営教室 第22回

 単年度計画⑤ -人件費計画-

前回、前々回とで、単年度計画における売上計画の立て方について解説しました。
売上計画では、売上高の計画を立てると共に、売上高に比例して発生する変動費を計画し、また、在庫・売上債権・仕入債務といった貸借対照表項目も同時に計画しました。
これら項目は、売上高の発生に比例して変動するものであり、同時に計画することが合理的であるからです。
単年度計画を立てる場合、損益項目だけを計画するという会社も見受けられますが、会社の業績を見る上で、損益と共にキャッシュフローが重要であり、キャッシュフローを見るためには貸借対象項目の計画が必要となります。
さて今回は、『人件費計画』について考えましょう。


第20回の時にも説明したように、『人件費計画』では、「役員報酬」「給料手当」「賃金手当」「法定福利費」及び「賞与引当金」「退職給付引当金」の計画を同時に立てます。また、「福利厚生費」「通勤費」を同時に立ててもいいでしょう。

(1)計画区分の設定
人件費計画を立てる上で、まず考えなくてはならないのが、計画区分です。
計画区分は、人件費計画を立てる上でどのような人たち(グループ)を一括して計画するか? そのグループをいいます。
固定給の人、パートなど時間給の人等、支給基準が異なる場合は別の区分としましょう。また、部門別・部署別等に区分することも良いでしょう。
当然に製造に所属する人(製造経費)とその他の人(販管費)とは別区分とします。(2)前年度発生態様の分析
単年度計画を立てる上では、まず計画前年度の発生態様を分析しましょう。
上記の計画区分毎に、在籍人数、給与等支給額を月別に把握します。
残業手当の額が多い場合には、計画区分毎に残業手当の月次発生額を算出してください。
法定福利費については、計画区分に属する人の法定福利費自己負担を集計し、その金額により按分した額を各区分の法定福利費とするのが原則です。
そして各勘定科目について、“計画区分別の前年度発生額の合計”が“前年度の損益発生額”と一致していることを確認してください。(3)既存従業員計画
いよいよ次年度の計画に入ります。
給与等の計画では、「既存従業員計画」と「新規採用人件費計画」とに分けて考えます。
まず、“既存”従業員計画を考えましょう。(1)で設定した計画区分毎に計画します。下記シートをご覧下さい。
当該計画区分の前年度給与額は、※1のとおりです。
期首に在籍する人数は5名で、9月に1名退職(その者の月額給料は420千円で、退職金を200万円支払)し、期首からいる従業員(既存従業員)は9月以降4名となります(※2、※3)。
昇給は4月に2%を予定しています(※4)。
各月の固定給は、[前年度の一人あたり平均固定給×月末人数×(1+昇給率)-退職者平均月額固定給]で計算されます(※5)。
残業手当を予測することにより、月額給与の計画ができました(※6)。
賞与は7月と12月にそれぞれ固定給の2ヶ月を計画しました(※7)。
法定福利費は前年度の実績を参考に固定給の14.0%と仮定しました(※8)。これで、当該区分の既存従業員に対する計画ができました。

次に“新規採用”計画を立てましょう。
戦略に基づいた行動計画で、いつ、どのような人を採用するかは決まっていることと思います。それに数値に落とし計画します。

下記シートをご覧ください。


4月に2名の採用を予定しています。その者達に対する給料は月額200千円/人です(※1)。
残業は2人合わせて7月以降の発生を計画しました(※2)。
賞与は、7月は支給対象期間が短いので0.8ヶ月 、12月は既存従業員と同じく2ヶ月を計画しました(※3)。
法定福利費は、給与額が相対的に低いため、既存従業員より若干低めの12.0%としました(※4)。

これで、新規採用従業員の人件費計画もできました。

後は、これらを集計して、月次人件費計画が完成です。


尚、退職金については、退職給付引当金を計上することが好ましい処理といえるでしょう。
この場合には、退職給付引当金繰入額を計画し、その1/12を各月の退職給付引当金繰入額(退職金)として処理し、上記の退職金支給額2,000千円は退職給付引当金の取り崩しとして処理します。

いかがですか? 人件費計画はできたでしょうか?

次回は『設備投資計画』について解説したいと思います。

 

 

 

 

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