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目標経営教室 第25回

単年度計画⑧
-資金調達計画、税
金計画、資産・負債・資本計画-

単年度経営計画も、前回までで損益計画のほぼすべてが終わり、後は営業外費用である支払利息と法人税等を残すのみとなりました。

しかし、損益計画も重要ですが、財務体質に問題がある会社では“キャッシュが足りるのか?”ということが最も重要です。
どんなに損失が出てもキャッシュさえ回れば会社は存続できますが、利益があってもキャッシュが足りなくなったら会社は存続できないからです。

今回は、数値計画の残りの項目である「資金調達計画」「税金計画」「資産・負債・資本計画」を考え、キャッシュフローを見てゆきましょう。

 

 

 

前回まで立てた計画は、数の色つきの部分です。
損益計画のうち色つきの部分が、前回までに計画した項目です。

これを見て分かるとおり「支払利息」の計画を立てれば、「税引前当期利益(法人税等+当期利益)」が算出されます。

 

(資金調達計画)
それでは「支払利息」の計画を立てましょう。
支払利息は借入金、社債、割引手形と一緒に計画します。

以下の図のように計画しましょう。

期首に9,000千円の借入金残高があり、毎月200千円ずつ返済、また、6月に3,000千円を新規に借り入れ、7月より毎月50千円ずつ返済が始まったという想定です。
借入金返済額や支払利息は「借入金返済表」を見れば正確に把握できるはずです。

割引手形の計画は、受取手形残高(売上計画で既に計画済み)を参考に、同様にして計画します。

(税金計画)
さて、支払利息の計画を立てたので、今までの計画を集計することにより「税引前当期利益」が算出されます。
この「税引前当期利益」から税金の計画をしましょう。

まず右側の『納税計画』を記入しましょう。
納税計画は前期の法人税確定申告により計算される額及びそこから算出される中間申告の額となりますので、税理士等に聞いて記入するのが良いかもしれません。
納税計画で立てた数値は、月ごとに「未払法人税等」または「未払消費税」の支払として処理します。

次に『法人税等計画』を立てましょう。
① 今までの計画を集計した結果としての「税引前当期利益」を記入します。
② 当期中に納付した事業税は税務計算上差し引くことができるので、減算します。
③ 税金計算上の利益と会計上の利益は異なる場合があります。それがあれば「加算減算」の項目に記入しましょう。但し計画の時点での明確になっていない場合もあるので、無視してもかまいません。
④ 税務上の繰越欠損があれば課税所得(税金計算上の利益)から差し引くことができるので、それを記入しましょう。繰越欠損金の額は前年度の法人税申告書に記載があります。⑤ 「税引前当期利益」に「加算減算」及び「繰越欠損金」を加減算して課税所得を求めます。
⑥ 課税所得に税率を乗じて法人税等を計算します。税率は正確に計算しても良いのですが、そもそも利益自体が計画値なので、概算でも良いと思います。法人税、住民税、事業税を合わせて40~50%程度を考えればよいでしょう。
計画最終月に、損益計算書の「法人税等」、貸借対照表の「未払法人税等」として処理します。
⑦ これらを集計して「当期利益」が算出されます。

 

これで損益計画のすべてが終わりました。
損益計画だけでよいのであれば、これですべてが終了することになりますが、先ほど申し上げたとおり、キャッシュフローが回るかどうかが、経営上は最も重要です。
せっかく計画を立てても資金が回らない計画では、役に立ちません。
キャッシュフローを見るためには、残った項目である「資産・負債・資本計画」を立てる必要があります。

(資産・負債・資本計画)
資産・負債・資本の各科目毎に、以下のように計画します。


上記例では、保険掛金が期首残高として3,500千円あり、毎月100千円をかけているというものです。

「資産・負債・資本」計画が終了すると、数値計画のすべてが終了します。


そして、貸借対照表の貸借差額が現預金残高になります。
ここで、もし各月の現預金残高が十分でない場合は、計画の修正が必要になります。
資金不足を解消するための方法としては、概ね以下のとおりです。
・新規借入をする(資金調達計画)
・売上計画、売上計画の見直し(売上計画)
・売上債権の回収を早める(売上計画)
・仕入債務の支払を遅らせる(売上計画)
・在庫を減らす(売上計画)
・経費を削減する(人件費計画、固定費計画)
・資産を売却する(設備投資計画、資産・負債・資本計画)
・増資をする(資産・負債・資本計画)
いかがでしょうか?

キャッシュフローに問題のない計画ができたでしょうか?

以前にお話ししたとおり、単年度数値計画は各部署毎の『行動計画』を数値化したものです。
部署毎の行動計画の結果を想定したものが、部署毎の数値計画であり、その合計が全社計画になるものです。そしてその結果が満足行くものでなければ、「行動計画の見直し」→「数値化」→「集計」のプロセスを繰り返すことになります。


どこまでを部署毎に策定するかは、会社の規模、組織の態様等によって異なりますが、このような手順によって経営計画を策定し、行動結果と対比して検証することが、目標達成につながるのです。
次回は行動結果との対比・検証についてお話ししたいと思います。

 

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