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所長のぼやき 2018-4

指示と忖度

最近また国会が荒れていますね。
森友学園、加計学園の決済文書や自衛隊イラク派遣の日報等、無かったはずの文書が次々と出て来たことがその発端となっています。
そもそも“無いはずのない”ものを「無い」としたことに無理があったのだと思いますが・・・。
今日はそのようなことに対して物申すのではなく、組織の中の意思伝達としての「指示」と「忖度」について考えてみたいと思います。

 

 

大辞泉(小学館)では、
指示 = さしずすること。命令。「―に従う」「―を与える」「部下に―する」
忖度 = 他人の心をおしはかること。「相手の真意を―する」
と書かれています。

まず、「指示」について考えてみましょう。
組織の中で目標を達成するためには、上層部が決めた方針に基づき、各部署の目標を定め、それを達成すべく各人が行動します。
そこでは、それぞれの階層ごとに各人の役割があり、各人がその役割を全うすることにより、目標が達成されるのです。

その時、上層部の人が末端の人達の役割まで具体的に指示するでしょうか?
少人数の組織ならばそれもあるのかもしれませんが、ある程度の規模であれば、そのようなことはないはずです。
トップが言ったことを中堅幹部が下の者にも分かるような言葉に置き換え、その下の者は更にその下の者にも分かるように言葉を置き換えて伝達するはずです。
そうでなければ上から下への指示は伝わりません。

私は講演などでよく言うのですが、トップと平社員では言語が違うのです。
トップの言葉は平社員には理解できないのです。だから、中堅幹部がそれを下の者にも通ずる言葉に通訳することが必要なのです。

例えば、社長が「火の用心」と言ったとしましょう。
中堅幹部またはその下のリーダーなどが社長が言ったと同じに「火の用心」と言っても、末端の者は何をして良いか分かりません。
社長は「火事になったら大変だから、それに備えて万全の準備をするように」という意味で「火の用心」と言ったのです。
この「火の用心」を社内に浸透させるために経営幹部は、例えば
「消化器の配置は十分か?」
「消化器の期限切れはないか?」
「避難訓練は十分に行っているか?」
「火事防止に対する意識を高めているか?」
などについて、的確な指示を出すことが必要です。

社長が一言言えば、末端の人たちが的確に行動する、これが良好な組織であり、それぞれの階層毎に指示の内容が変わってくることにより、円滑に指示が伝わるのです。

さて先の国会ですが、安倍首相は答弁などで「私はそのような指示はしていない」などと言っていますが、そんなのは当たり前です。
そのような具体的指示をトップがするはずはないのですから。
安倍首相がどのようなことを言った知りませんが、言われたことが結果につながるように指示をする、これがその下にいる人たちの役割であり、阿倍首相が直接具体的に指示したのでなくても、それは指示したのに等しいことになるのです。
省庁は素晴らしく良くできた組織ですから。

それに対して「忖度」は、その人は指示をしないのに、他の人がその人の心を推し量り、指示または行動することです。
日本では「以心伝心」が尊ばれ、言ってもいないのにそのようになることが美談のように扱われます。
しかし、ビジネスの世界では「以心伝心」をしてはいけないのが鉄則です。
確実に指示が伝わることが重要であり、曖昧な指示であったり、推し量ることにより誤って伝わることを避けなければならないからです。
「そのくらい言わなくても分かるだろう」と思うこともあるかもしれませんが、“言わなければ分からない”のが現実です。

しかし、部下が自分の保身を考えた場合等では、必要以上の“忖度”が起こることがあります。それは本人が考えている以上のことに発展することもあるはずです。
だから良好な組織としては、必要以上の“忖度”が起きないようにすることも必要なのです。
必要以上の忖度は望ましいことなどではなく、もしそれにより本人が思っているのと違った方向に行った場合には、それに対する責任をとらなくてはなりません。
忖度によって思わぬ方向に行くことの蓋然性を作った若しくは放置した責任です。

保身の固まりのような官僚組織に対して政府がその人事権を持っている状況では、忖度が起こりうる状況であると言わざるを得ません。
「首相夫人が名誉校長」であるとか、「首相の竹馬の友」であるとかの状況であれば、何も言わなくても配慮するのが当たり前です。
それがなかったという方が不自然だと思います。

権力を持った人の周りにはそれを利用する人が集まるのも世の常です。
だから、権力者はそのような状況にならないように最新の注意をすることが必要であり、また、周囲の者が本当にその権力者の友人であるのならば、敢えて関わらないようにする、それこそ忖度することが必要なのだと思います。

しかし、“もういい加減にしてくれ!”と言いたいですね。
国会は何のためにあるのでしょうか?  誰のためにあるのでしょうか?
早く正常な状態に戻り、必要な審議をしてもらいたいと思います。  

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