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所長のぼやき 2018-5

セクシャルハラスメント

先日、財務省の福田事務次官が女性記者に対しセクハラをしたということで辞任し、それに対して麻生財務大臣が「はめられた」とか「セクハラ罪という罪はない」などという発言をし、波紋呼んでいます。
ハリウッドでは大物プロデューサーであるハーベイ・ワインスタイン氏が多くの女優にセクハラをはたらいたということで、アカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミーから除名の決定を受けました。

セクシャルハラスメントという言葉が言われるようになってから久しいのですが、最近このような問題が多発しています。

今月は、セクシャルハラスメントについて考えれみたいと思います。

 

 

そもそも、「ハラスメント」とは、嫌がらせや相手を不快にさせる行動のことであり、セクシャルハラスメントは性的嫌がらせということになります。

それでは、セクシャルハラスメントに対する法的な罰則規定はあるのでしょうか?

セクシュアルハラスメン卜そのものの明確な禁止規定はどの法令にもなく、「セクシュアルハラスメン卜罪」といったものはないのだそうです。
その意味では麻生財務大臣の言っていることは正しいのかもしれません。

それではセクシャルハラスメントを行なってもそれを裁く法律がないのかというと、それも違います。

セクシャルハラスメントはそれを行った本人と、その者を使用(雇用)している事業主に対し、法的に責任を問う裁判例も多くあるようです。

(1) 加害者本人の法的責任
セクシュアルハラスメン卜は、被害者の名誉やプライバシーなどを保護する「人格権」を侵害する行為であり、「不法行為に 基づく損害賠償責任」(民法第709条)を問われることがあります。
また、それが身体を触ったなどの場合には、「強制わいせつ」などの刑法上の責任を追及されることもあり、身体を触らない場合でも、「名誉毀損」「侮辱「脅迫」等の罪に問われる可能性もあるようです。

(2)加害者を使用している事業主(管理監督者)の法的責任
「男女雇用機会均等法」では、事業主に対し職場におけるセクシュアルハラスメン卜防止のための雇用管理上の配慮を義務づけています。 事業主が配慮義務を果たしていない場合には、厚生労働大臣による指導や勧告等の対象となります。
また民法上でも事業主は、従業員が職務遂行中に行った行為に対し、使用者として損害賠償責任を問われることがあり、さらに職場の人間関係のトラブルを解決または未然に防ぐことが求められており、裁判でも会社の責任 は広く認められる傾向にあるようです。

ところで、“相手を不快にさせる行為”とは何なのでしょうか?

相手が不快に感じるということは、「相手がどう思うのか」であり、「こちら(加害者)が何をしたか」ではないのです。

だいぶ以前にセクシャルハラスメントという言葉が言われ始めた頃のことですが、私の知り合いの弁護士が、セクハラに対して警告するためのビデオを作りました。
そのビデオでは、2人の男が1人の女性にまったく同じことをするというストーリーで構成されています。
一人は“イケメン”、もう一人は“うだつの上がらなそうなオジサン”です。

イケメンが女性にちょっとエッチなことを言います。その女性は楽しそうに話を返します。
それに対して同じことをオジサンが言うとセクハラになるのです。
イケメンが女性の今日の服装のセンスを褒めます。そうするとその女性は褒められてとても嬉しくなり、その男性に好意を感じるのに、それと全く同じことをオジサンが言うと、その女性はとても不快に感じ、セクハラになるのです。
この程度のこと?と思っても、相手が嫌だと思えばアウトです。
イケメンだと、お尻を触ってもセーフだったりするのに、オジサンだと・・・。

要するにこのビデオでは「これはしていい」「これはしてはいけない」ということが、画一的に言えるものではないということに警鐘をならしているのです。

同じことをしても、好感を持っている相手なら何の問題もなく、そうでない相手だとせセクハラになるのです。
そしてそれは、その行為を受けた人の気持ちにだけに依存するのであり、行為をした人の気持ちは関係ないのです。
だから「私はセクハラをしていない」などというのは通じないのです。
「この程度のことはセクハラではないだろう」というのも通用しないのです。

そもそもセクハラは性的な事象が対象であり、その事象自体は、好意を持っている人からはむしろ「して欲しい」と思うものであり、これがセクハラ問題を難しくする要因なのでしょうね。

だから“そのようになりうる状況を出来るだけ作り出さない”ように、私のようなオジサンは考えなければなりません。
君子危うきに近寄らずですね。

もう一つ気をつけなくてはならないのは、前述の使用者の責任です。
セクハラをした人を見て見ぬ振りをしてはいけないのです。
「そのくらい我慢しろよ」とか、「そんな気を起こさせるような格好をしているから」などと言ったらおしまいです。
しかし、使用者(上司)もセクハラだと思っていない場合もあるから厄介です(麻生大臣のように)。
そのようなことが起こらないように日頃から指導し、ルールを作るなどの措置をしておき、もしセクハラが起きたら被害者を保護し、加害者に適切な指導をすることが大事なのです。

ところで先の福田事務次官の問題。どこかおかしいと思いませんか。

もちろん福田氏の行ったことは問題であり、事務次官という立場の人としての資質が問われるものです。
しかし女性記者は、嫌だったら「取材(食事)に行かない」という選択肢があったはずです。
そんなスケベ親父、どこにでもいるじゃないですか。嫌なら近寄らなければいいのです。
マスコミは女性記者を雇用しているテレビ朝日の責任についてあまり語っていないようですが、むしろそこに行かせようとする、または行くことにより嫌な思いをしていることを知りながら何の手を打たないテレビ朝日にこそ責任があるのではないでしょうか。
訴えられるのは福田氏ではなく、“テレビ朝日”であるはずです。

いずれにしても“セクハラ”、いつ何時我が身に迫ってくるかわからない問題です。

気をつけたいものです。

(山本哲郎)

 

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