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所長のぼやき 2019-4 消費税増税まであと半年!

今年10月から消費税率が10%になりますね。
安倍政権はアベノミクスの成果として“景気が好調である”と言い続けているのに、なぜか消費税については2度にわたり先送りしてきており、さすがに今回は3度目の正直で、先送りせずに行われるのでしょうね。
いや、2度あることは3度あるというから分からないですか?
ところで今回の増税は単に税率が上がるだけではなく、軽減税率導入と将来のインボイス制度を見据えた改正であり、今までにない改正となります。
今回はちょっとその中身を確認しましょう。

消費税は2014年4月に5%から8%に増税され、その1年半後の2015年10月に10%になるはずでしたが、2017年4月まで1年半の先送りとなり、そして更に2年半の延期をして今回に至っているわけです。
また、今回の消費税改正は、税率の改正だけでなく、軽減税率が導入され、とても分かりにくくなっています。
さらに2023年から適用になる条項も含まれているのです。
その概要を書いてみましょう。

(軽減税率)

テレビなどでもいろいろと話題に上がっているので皆さんご承知のことと思いますが、今回の改正では「軽減税率」が導入されます。
軽減税率が適用されるのは、「飲食料品」と「定期購読の新聞」です。
飲食料品は分からないでもないですが、なぜ“新聞も”なのですかね?
政府が新聞にいろいろ書き立てられるのが嫌だからなのでしょうか。それとも新聞を使って国民を欺こうとでも思っているからなのでしょうか。
そのような詮索はともかくとして、その概要を説明しましょう。

飲食料品とは、「食品表示法」に規定する食品です。これにはほとんどの食料品と飲料が含まれます。
しかし、「酒税法」に規定する“酒類”や医薬品、医薬部外品などはそれに含まれず、標準税率(10%)が適用されることとなります。
ということは酒とおつまみを買ったとき、それぞれ税率が違うことになるのです。
栄養剤を買った場合も、オロナミンCは清涼飲料水なので軽減税率、リボビタンDは医薬部外品なので標準税率となるのです。

また、飲食料品であっても、飲食設備のある場所での食事の提供は軽減税率の対象とはなりません。だから、店で食べるか持ち帰るかによって税率が変わることになり、とても複雑です。

さて、軽減税率は買うときに“消費税が安いから得だ”とだけ考えていると、そうではありません。
また、“うちは飲食料品を売っていないから関係ない”などと思いがちですが、そうではありません。
会社や事業者は、売上に含まれる消費税と購入代金に含まれる消費税の差額を計算し、消費税を納税します。
飲食料品や新聞を売っている会社や事業者であれば売上の中身によって消費税額が異なるので、それぞれの売上高を区別して計算することになります。
それ以外の会社や事業者であっても、原価や経費に標準税率のものと軽減税率のものが混在することになります。
ということは、それぞれの取引内容をきちっと見た上で、消費税の計算をしないと間違った消費税計算をしてしまうことになりかねません。
軽減税率が導入されたことにより、処理の手間が大幅に増え、結果として税務リスクが増えることになるのです。

(インボイス制度の導入)

消費税を導入している諸外国では、支払った消費税を証明するのにインボイスと呼ばれる計算書が必要であるのが普通のようですが、日本では従来からそれを行わず、通常の請求書で代用していました。
いよいよ日本でもインボイス制度が2023年10月から導入されます。そして今年の10月からはその中間的な様式として「区分記載請求書」の発行をしなければならないこととされています。
「区分記載請求書」は、現行の請求書に追加して
①軽減税率対象品目である旨
②軽減税率と標準税率別の合計請求額  を記載するものです。
その詳細についてはここでは省略しますが、現行の請求書フォームを変更したり、レジ機械自体を交換したりする必要が出てくることもあるかもしれません。
そして4年後には「適格請求書(日本型インボイス)」に置き換わります。
それ以降は、この適格請求書がないと仕入控除(支払った消費税分の減額)が出来ないことになるのです。
この「適格請求書」は、「区分記載請求書」に
③登録番号
④軽減税率と標準税率別の消費税額 の記載が必要になります。
この③登録番号は、申請して付与してもらうものなのですが、消費税を納める業者のみに付与されるものであり、消費税を納めなくて良い免税業者はインボイスを発行することができません。
購入する側からするとインボイスがもらえない免税業者から買うと仕入控除ができないことになるので。免税業者から物を買わなくなるかもしれないのです。免税業者はその分安く販売すれば良いのかもしれませんが、免税業者も購入に関しては消費税を上乗せして支払っており、販売額を安くしてしまうと利益が減ってしまいます。
結果として課税業者になる(申し出ることにより課税業者になることができます)ことも選択肢なのでしょうが、多くの手間がかかり余計なコストがかかることになってしまいます。

以上、消費税改正の概要について書いてみました。
本当はまだまだ細かいところでは従来と変わる部分があるのですが、これくらいにしておきましょう。
全体としていえるのは、制度が複雑で、間違えのないようにするためには手間が増えそうだということです。
また、“有利不利の選択肢”があり、我々会計事務所にとっては手間だけでなくリスクが膨大になるということもいえそうです。

その多くが軽減税率導入に係るものであり、軽減税率が弱者救済を目的とするものであるならば、“もっと他の方法はなかったのか”と言いたくなります。
また本当に軽減税率が必要なのならば、なぜ8%なのか?
むしろもっと低い税率にすべきなのではないかとも思います。

いずれにしても10月の消費税増税に対処した準備を早めにしておくことが必要です。
また、消費税増税前に駆け込み需要があるかもしれません。その後の経済の落ち込みがとても心配です。

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