banner

【所長のぼやき】意外に早い?電気自動車の時代!

意外に早い? 電気自動車の時代!

最近、電気自動車の話題が多く取り上げられています。
2017年には世界の約3割の自動車が中国市場で販売されていますが、その中国が2025年に化石燃料車の販売を禁止する方針を出し、その他国々も追随する風潮にあります。
電気自動車(EV)専業メーカーである“テスラ”を始め、BMWや世界に名だたる自動車メーカーがEV生産に乗り出しています。あのフェラーリもです。
先日、 「進むEV化で変わる自動車産業 ~EVと太陽光の時代へ~」というテーマの講演を聴いてきました。
「EVなんてまだまだ先の話かな!」と思っていたのですが、意外に早くEVへの転換が進むのかもしれませんね。

 

『“変化は止まらない”「EV化」~100年ぶりの転換期を迎える自動車産業~』というキャッチに惹かれ、先日、SmallSun(中小企業サポートネットワーク)が主催する講演会に足を運びました。
講師は環境ビジネスコンサルタント、元東京大学特任教授の村沢義久氏。
EVの時代はもうそこに。
目から鱗のような内容でした。

世界がEV化を加速させる要因としては、まず「地球温暖化」があげられます。
人類文明は“火”の使用とともに始まったのですが、“火”は二酸化炭素の発生源であり、二酸化炭素の増加による地球温暖化で“ツバル”や“モルティブ”等の国々が水没の懸念にさらされています。
今や「温暖化で人類文明が崩壊しようかという非常事態」であり、それを抑制するための協定である“パリ協定”が目指すのは「二酸化炭素の削減」ではなく『二酸化炭素をゼロに!』なのだそうです。

二酸化炭素の排出量としては、“エネルギー転換(発電等)”が30%強、”運輸(自動車等)”が20%弱で、この二つの部門を減らせば二酸化炭素排出量の50%を削減できるのだそうです。


(村沢義久氏作成 講義資料より)

そこでまず「エネルギー転換」ですが、火力発電に変わるものとして最有力であった『原発』は、従来は低コストといわれていたものの“3・11”以降は安全対策コストが急騰し、太陽光発電のコストを大幅に超過(太陽光発電コストの3倍以上)し、また日本の原発輸出戦略は全滅状況であり、世界が“卒原発”へ動く中、エネルギーの原発への転換は難しくなっています。
それに変わるものとしては、太陽光や風力などの再生可能エネルギーであり、今後それらへの移行が急速に進むものと考えられます。
これは「エネルギーを作る側」としてのエネルギー革命なのです。

一方、「エネルギーを使う側」からの交通革命が“EV化”です。
燃料を燃やす“エンジン”の時代はまもなく終わる!のです。

「ノルウェー」は2017年2月に“2025年”に走行時に二酸化炭素を排出しないゼロミッション車以外の乗用車の新規登録を禁止する方針を決定しました。
「中国」は2017年12月に“2025年”に化石燃料車の販売を禁止する方針を示唆しました。
「インド」は“遅くとも2040年”までに、「フランス」「イギリス」は“2040年”までに内燃機関車の禁止を打ち出しています。
「日本」でも “2050年”までに世界で売る日本車すべてを電気自動車などの電動車にする方針を昨年7月に政府が打ち出しました。

 
(村沢義久氏作成 講義資料より)

おそらく30年後の“2050年”には、新規に販売されるほとんどの車が電気自動車になり、それに伴いガソリンスタンドが減少し、その利便性からも既存の車はEVに改造せざるを得なく、ガソリン車がほとんど見られなくなるのではないでしょうか。

ところでEV車がガソリン車に取って代わると、多くの変化が起きます。
エンジンがなくなりモーターになるということは、エンジンを作っているメーカーは不要になります。
そのノウハウも要らなくなります。
ガソリンもオイルも要らなくなります。
その代わりに効率の良いモーターやバッテリーのノウハウが必要になってきます。

しかしこれらは今まで自動車産業に関わってきた業種の得意分野とは明らかに違うのです。
また、EVの構造はエンジン車に比べ単純であり、新規参入者にとっては大きなチャンスであり、逆に従来から自動車産業に関わってきた者にとっては大ピンチであると言わざるを得ないのです。

現に、EV自動車メーカーとして新規参入が相次いでいます。
それも今まで自動車とは全く無縁であった業界が参入してきているのです。

 
(村沢義久氏作成 講義資料より)

今、電気自動車メーカーとしては“テスラ”が世界を圧倒しています。
“テスラ”は2008年に初めて自動車を販売しました。たった10年でEV車を圧倒するメーカーとなったのです。
テスラ社はアメリカのシリコンバレーに本社を置き、EV車だけでなく、ソーラーパネル等を開発・製造・販売している会社です。
他の自動車メーカーとは素性が全く違うのです。

また中国メーカーも販売実績を大きく伸ばしています。
中国はガソリン車では他の先進国に勝てませんが、電気自動車であればイニシアティブがとれる可能性があり、国を挙げて推進しているのです。

自動運転車の開発が進む中、グーグルなどのIT産業も自動車メーカーに名乗りを上げています。

日本でのEVは“日産リーフ”がありますが、航続距離が伸びたとはいえまだまだ短く、トヨタをはじめ他社ではハイブリッド車が主流でEVはほとんど製造していないのが実状です。
ハイブリッド車は、「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーで一世を風靡しましたが、今やエコカーの範疇に入らない一世代前の車ということになってしまっています。

また、トヨタは「水素燃料電池車」である“MIRAI”を開発しましたが、
・水素を得るために二酸化炭素を排出する
・水素を貯蔵するタンクは高圧であり、水素ステーション建設に高額にコストがかかり、インフラの普及が難しい
・車内に大きな水素タンクを積むため、乗用スペース確保が難しい
・水素燃料電池車のメリットとして航続距離の長さがあったが、今やEVに追いつかれた
等の理由から、世界では水素燃料電池車の活路は消えている状況なのです。

これからは従来の自動車メーカーの製造ノウハウが不要になり、全く別のノウハウが必要になる時代が来るのです。
もしEV100%時代にトヨタがメーカーとして生き残れなくなると、売上30兆円が消滅する!
日産、ホンダ、マツダ、スズキ、スバル・・・も!
そうなると、
「部品メーカーはどうなる?!」
「ディーラーはどうなる?!」

自動車発の『大不況!』が来るかもしれません。

トヨタの豊田章男社長は2018年5月に開かれたトヨタ自動車の決算説明会で「私は、トヨタを『自動車を作る会社』から『モビリティ・カンパニー』にモデルチェンジすることを決断しました」とコメントしています。
自動車という「移動するためのモノ」を作るのではなく、「移動手段というサービス全般を」ということなのでしょうか?
いずれにしてもあの大トヨタをしても脅威に感じる大革命が間近に来ているということだと思います。

「太陽光発電」と「電気自動車」。
これが温暖化防止の必要条件であり、世界が間違いなくそこに向かって進んでおり、その時代の変化という大津波は、もうすぐそこまで迫っているのです。

いかにその時代の流れ対応するか。
早急に考える必要が来ている。

このような内容の今回のセミナーでした。

世界がこのように大きく変わりつつあるのに、まだまだ日本の企業は、特に自動車関連の中小企業はその危機感を自分のこととして感じていないように思います。
自動車関連でなくても、この変化が経済にどのような影響があるのかを予測し、その対応にいち早く取り組むことが必要なのです。

しかし、そのための改革を行っている企業のなんと少ないことか。  チコちゃんに叱られそうです。

(山本哲郎)

 

会社概要

株式会社アクシィ経営支援室
創立:昭和61年8月
代表取締役:山本哲郎
東京都千代田区九段南3-3-4
ニューライフビル4階
TEL:03-5211-7872
FAX:03-5211-7873

山本公認会計士事務所
創立:昭和26年7月
所長:山本哲郎
東京都千代田区九段南3-3-4
ニューライフビル4階
TEL:03-5211-7870
FAX:03-5211-7873