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通信制高校 -不登校問題の解決になるか?-

通信制高校 -不登校問題の解決になるか?-

先日、私が参加している経営者の勉強会で「通信制高校について」というテーマでの研修がありました。
アイススケートで活躍する紀平梨花選手が練習時間を確保するため通信制高校に通っているとの話を聞いたことがあったので、通信制高校の存在自体は知っていたのですが、その実態などについてはほとんど何も知りませんでした。
その研修に参加して、私の育った時代と現在の子供が育つ環境は大きく変わってきているのだなと感じたと共に、中高生の不登校について考えさせられました。

 

今回の研修は、日本全国に多くのキャンパスを持つ某通信制高校のキャンパス長を招き、通信制高校の実態と課題などについてお話を聞きました。当日は数名の学生達も参加し、懇親会にも参加してくれました。

高校には「全日制」「定時制」「通信制」の3つの教育課程があり、全日制、定時制はカリキュラムが決まっていて学校に通って学ぶのに対し、通信制はスクーリングという登校日に授業を受けますが、原則は自己学習で、レポート提出やテストにより単位を取得するもので、卒業すると他の教育課程と同様の高校卒業資格が与えられます。
そして最近の少子化と逆行して通信制高校に通う生徒は増えており、そのサポート校も増え続けているのだそうです。

しかし、全日制高校を持つ学校法人が運営しているものから、塾経営の副業で運営しているものなど、様々な形態があり、学校によって学習環境や授業の内容、質なども異なるのが実態のようです。
また、生徒は基礎学力がない子も多く、小学生レベルの学力すらない生徒もいるそうで、掛け算や割り算が分からなくても卒業できてしまう子もいるのだそうです。

それではどのような人が定時制高校を選択しているのかというと、先ほどの紀平選手のように、フレキシブルな教育体制により自分のやりたいことをする時間を確保するためという人もいますが、概ね以下のような理由のようです。
・勉強についてゆけない
・学力的に普通校には行けなかった
・友達関係のトラブル
・先生と会わない、嫌い
・健康面の不調
・心の病
・家庭内の問題 等

そして不登校だった子が多いのだそうです。
現在、全高校生の19人に1人が通信制高校に通っているのだそうです。
そのほとんどは不登校なのです。

不登校の子供達は年々増えています。

このグラフが示す文科省のデータは学校を通して報告されたものですが、日本財団が昨年インターネットを使って直接中学生に対して行った調査ではもっと深刻な実態が見えてきました。それによると不登校(年間の欠席日数が30日を超える生徒)以外にも、登校はしているが不登校傾向にあると考えられる生徒がその3倍の33万人もいることが分かったのです。

これらの生徒が中学校に行きたくない理由は以下のようなものだそうです。
・朝起きられない
・疲れる
・学校に行こうとすると体調が悪くなる
・友達とうまく行かない
・学校は居心地が悪い
・小学校の時と比べて良い成績が取れない

なんか甘ったれているような気がしますね。
私の子供の頃なんかは、こんな理由で学校に行きたくないなんて言ったら、親や先生にぶっ飛ばされただろうな!って考えてしまいます。
しかし、時代が違うのでしょうね。
きっと今の子供達は昔の子供達より繊細な精神を持ち合わせているのでしょう。
このように育てたのは私たち年代の大人なのでしょうが・・・。

善し悪しは別として、今の子供達はこのような考え方をしているのが事実であり、これを認めてあげなくてはならないのだと思います。

さて、通信制高校を卒業した生徒のその後の進路なのですが、今回お話を聞かせていただいた某校練馬キャンパスでは、平均20人のうち
就職     6人
大学進学   2人
専門学校進学 4人
そして8人がどこにも決められず、アルバイトや何もしていないというのが実態だそうです。

そしてお話ししてくれたキャンパス長は、少しでも進路を決められるよう、以下のように教えているとのことでした。

(メンタルコントロール)
・人と違っていても良い
・人と違っていることは個性であり、財産である
・自分を知る   ・おちたとき、気持ちを上げるテクニック
(生きる上で必要な知識)
・世の中に出て必要な学力
・生きる上で役に立つ一般常識
(実体験)
・体感することの大切さ
・小さな世界ではなく広い世界があるということ
・失敗から学ぶ「考える」ということ
・成功から学ぶ「できる」ということ

今回私たちの勉強会でお話しし、生徒まで連れてきたのも『実体験』を学ばせる一環だったのです。

そしてキャンパス長は“私たちにお願いしたいこと”として以下のことをおっしゃっていました。

AIが進化を続け外国人の労働者が増える一方で、日本では大人の引きこもりや若者のニートが増え続けています。

私のキャンパスに通う生徒の約8割はアルバイトをしていますが、みんな立派に労働しています。そのバイトのお金で学費を払っている子もいます。
しかし就職となると困難です。

確かに学力や、コミニュケーション能力が低い子も多いかもしれません。不器用な子もいます。でも、真面目で素直な子がとても多いのも事実です。

この子達のもつ大きな可能性をつぶしたくありません。
歩むのは自分自身であっても、歩む道が必要なのです。

皆様の今までの多くのご経験や、ご人望、またお力で、この子たちがこれからの日本を支えていける強い柱になれるよう、一緒に育てていただける協力者を探しています。
本日のこの場から何かがつながると信じて。今後ともよろしくお願いいたします。

 

キャンパス長のお話の後、参加した生徒達と話をする機会がありました。
生徒達は不登校であったとは思えないほど明るく、しっかりしていました。
もっともそのような生徒しかこの場には来なかったのかもしれませんが。
皆、それぞれの事情があって通信制高校に転入してきたのですが、それらを受け入れる環境が必要であり、その環境を作るのが我々の責務なのだなと、つくづく感じることのできた一日でした。

(山本哲郎)

会社概要

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