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《コラム》少子化に本気で取り組んでいるの? 〜日本とブラジルの出産・育児事情〜

私事で申し訳ありませんが、ブラジルに住んでいる私の娘が先日出産しました。

長男の子に次いで2人目の孫です。
子供ができたと聞いたとき、当然に日本に帰ってきて出産するのかと思ったのですが、日本に帰らずブラジルで出産するとのこと。
ブラジルの医療水準はどうなのか?
言葉の壁もあるし、補佐する人はいるのか? など、とても心配でした。

私の娘は、夫の仕事の関係で3年ほど前からブラジルサンパウロに住んでいます。
このたび待ちこがれた子供ができました。
初めての出産だし、日常会話もままならない中での出産ではさぞ不安だろうし、現地には同じ会社の日本人の仲間が大勢住んでいるとは聞いてはいるのですが、それでも親が近くにいた方が安心だろうし、当然に日本に帰ってきて出産するものと思っていました。

しかし、日本に帰らずにブラジルで出産するとのこと。
ブラジルの医療水準は決して低くはないとのことでしたが・・・心配でした。
おかげさまで先月、無事に男の子が生まれました。

両親とも日本人なのに、なぜブラジルでの出産することにしたかというと、
出産や育児環境が日本よりよっぽど良いからに他ならなかったのです。

今回のことがあったので、少し調べてみました。

ブラジルではベビーシッター文化が浸透していて、
とても大勢の人が当たり前のようにベビーシッターを頼んでいるそうです。
だからベビーシッターという職業が社会に十分に認
知されていて、その人数もとても多いようです。
比較的安い費用で、子供の世話だけでなく洗濯や料理もしてくれて、家族の一員のような存在です。
育児の相談もできるし、預けている間にランチしたり、習い事をしたりと、
自由な時間を持つことができるので、母親が育児ノイローゼになることも少ないのです。

夫婦共稼ぎの場合、日本では待機児童問題が深刻で、
子供ができるとなかなか職業に復帰できないことも多いようですが、
ブラジルでは保育園だけでなくベビーシッター文化がそれを支えているのです。

また、子育てに対する周囲の環境が素晴らしいようです。
日本では小さい子供を連れて電車に乗ったり、
レストランに行ったりすると、とても気を遣います。
電車の中で子供が大声で泣き出すと、周りの目線は
「うるさいなぁ!」「早く何とかしろよ!」という感じになることでしょう。

しかし、ブラジルでは子供にとても寛容なのだそうです。
子連れでバスや電車に乗ると、周りの人が代わる代わる声をかけ、
一緒にあやしてくれるし、席を譲ってくれるのが当たり前。
レストランでも子供を預けられる無料スペースを持つところが多くあり、
そこでは食事中、専任の大人が子供の面倒を見てくれるので、
安全も確保でき、気兼ねなくゆっくり食事ができるとのこと。
そもそも子供が大泣きしてもあまり気にしない文化があるようです。
またスーパーマーケットのレジでは、お年寄り・子連れ・妊婦さん用の専用レーンもあるそうです。

ブラジルでは、子育てに関し社会全体がとても寛容であり、
国民全体で子供を守ってゆくという気風があるのですね。

それに対して日本はどうでしょうか。

日本では世界の国が未だ経験したこともないほどの大幅な人口減少が進んでいます。
それに伴い高齢化社会を迎えています。
このままでは経済的にも社会保障においても大きな障害になることは間違いないでしょう。
これを解消するためには人口の増加が不可欠なのに、
出生率は1.43で人口減少の傾向に歯止めがかかりません。
政府は出生率増加に対していろいろ手を打っているようですが、
一向に改善の兆しは見られないようです。

今月から消費税が増税されました。
その使い道は社会保障費とされておりますが、それには医療や介護の他、
新たに ①幼児業育・保育の無償化 ②待機児童の解消 ③高等教育の無償化などに広げたとされています。

これによって出生率が上がるのでしょうか?
政府のやっていることって、結局「金」のばらまきと「箱モノ」の整備じゃないですか。

子供を増やすには、子供を育てたくなるような環境を作ることが大切です。
その環境とは「金」や「箱」だけではないはずです。
周囲の人たちの子供に対する優しい心遣い、親に対する周囲の理解などといったソフトの部分が備わって初めて子育ての環境が良くなるのだと思います。

子育てに関しては、明らかに日本よりブラジルの方が優れているようです。

ちなみに娘の夫は出産から2週間ほど、会社を休むことができたようです。これも日本ではなかなか聞かないことですよね。

日本の将来のために、子育て環境を充実させることは喫緊の課題です。
そのためには周囲の暖かい心と理解の気持ちが必要です。
そのためには我々一人ひとりが意識改革を行い、小さなことからでも出来ることを実行して行くことが必要なのだと思います。

日本人はかつてはそのような心を持っていたはずです。
隣近所の人たちが助け合いながら地域社会を構築し、その中で子供たちも育ってきたのです。
そのような日本人の文化を取り戻して、これからの日本の明るい未来が築けたらなと思います。

ところで早く孫の顔を見たいのですが、何せブラジルは遠いです。

 (山本哲郎)

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