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山本哲郎コラム「東京オリンピックについて思う!」

東京オリンピック開催まで後250日余りとなりました。
エンブレムデザインの盗用問題、国立競技場の設計変更など紆余曲折がありましたが、ここに来てIOCがマラソン・競歩の会場の変更というショッキングな問題提起を行い、一方的に決定してしまいましたね。
確かに最近の日本の夏は酷暑で、マラソンや競歩などの屋外での耐久スポーツには厳しい環境なのでしょうが、“そんなこと前から分かっていたのに”と思いますよね。 開催直前にこんなガタガタ揉めている今回のオリンピックと、1964年の東京オリンピックをついつい比較してしまいます。

この「所長のぼやき」を読んでいる方で、1964年の東京オリンピックを知っている人は少ないかもしれませんが、私は当時小学生で、日本中が大いに(今以上に)盛り上がっていたのを記憶しています。
巷では三波春夫、坂本九など、何人もの人気歌手が歌う「東京五輪音頭」が流れまくり、テレビでも東京オリンピックに関わる番組が目白押しで放映されていました。

1964というと高度成長期の真っ直中。
といってもまだまだ日本は貧しく、オリンピック開催が“これから先進国の仲間入りをする”という期待を感じさせる一大イベントでした。
現にオリンピックの直前に、首都高速開通、東京モノレール・新幹線開業など、オリンピックを境に東京という街が目に見えて変化してゆきました。

そして日本では一番スポーツに適した時期である10月10日の快晴の中、開会式が執り行われました。

最近のオリンピックでは、それ自体が主役のイベントであるかのようなお金をかけた開会式となっていますが、当時は選手たちが主役の、しかし荘厳な雰囲気に包まれた、スポーツ大会の開会式にふさわしいものでした。聖火台への点火、そして会場上空に自衛隊の航空機ブルーインパルスが五輪を描いたときは、日本中の誰もが感動したものです。
私もこの様子をテレビで見ていたのですが、そのとき窓の外を見たら、なんとブルーインパルスが五輪を描いている“そのもの”が見えたのです。この時の感動は今も忘れられません。

競技ではこの大会から日本のお家芸である“柔道”が種目に加わり、体操・バレーボール・レスリング等々、日本選手が大活躍、メダルも多く獲得し、期待以上の成果を出し盛り上がりました。
記録としても米国のヘイズが陸上100mで追い風ながら人類で初めて“10秒の壁”を破る9秒9を出し、聴衆を驚かせ、それ以外でも“スポーツの秋”にふさわしく、世界新記録が数多く塗り替えられた大会でもありました。

日本はこのオリンピックの成功を励みに更に経済成長を続け、世界に類を見ない程の高度成長を達成しました。
この高度成長は、オリンピック効果が大いに影響したのは間違いのないことだと思います。

一方、「おもてなし」で勝ち得た今回の東京大会ですが、なぜか盛り上がりに欠けるような気がします。
前回のような経済が成長し続けていて、今日より明日、明日より明後日が良くなるという“希望に満ちた経済環境”の中での開催と、“経済が成熟しきった”中での開催では、大会に対する気持ちの持ち方も自ずから違ってくるのでしょう。
オリンピック開催を期に世界の先進国の仲間入りをするという気概を持った中で開催された前回と比べると、今回のオリンピックはどこか冷めていてもしかたないのかもしれません。

そんな中で「暑いから会場を変更する」。
それも開催当時者である日本の意見や東京の意見を聞かず一方的に合意なき決定をしてしまうIOCのやり方に反発したくもなります。

IOCは「アスリートファースト」の観点から会場を変更するといっていますが、本当に「アスリートファースト」ならば、夏の暑い時期に開催すること自体がおかしいですよね。
アメリカの放送局がオリンピックの多大なスポンサーであり、その放送局の番組閑散期である時期をオリンピック開催時期とすることがその理由のようですが、それでは「スポンサーファースト」であり、「アスリートファースト」などと軽々しく言って欲しくないですよね。

日本の秋はスポーツにふさわしく、その時期に開催するのであれば会場についても何の問題もないのであって、これこそが「アスリートファースト」であり、「観客ファースト」なのです。

また、イベント性の強いお金のかかった開会式なども、きっとアメリカの放送局が視聴率を取りたいための方策なのでしょうね。
お金をかけないコンパクトなオリンピックと言っていたのに。

かつてのオリンピックはアマチュアスポーツの祭典であったのですが、今やプロが活躍する場でもあります。これもスポンサーの視聴率稼ぎの一環なのでしょうか?

いろいろ今回のオリンピックに不満はあります。
とはいっても、日本での開催はうれしいものです。
開催するからには、日本として世界に恥ずかしくないようなオリンピックにして欲しいですね。
東京オリンピックまで、あと250日余り。
記憶に残る素晴らしい大会になることを切に祈りたいと思います。

 (山本哲郎)

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