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所長のぼやき 2013-7

SOROBANas_1

 昔、我々会計人の必携の道具というと、何といっても“ソロバン”でした。
 私が子供の頃は、父が自宅で会計事務所を開業していたので、父や職員の人たちがソロバンでいろいろ計算していたのを見ていて、ソロバンは私の遊び道具でもありました。
 その後“電卓”が世に出始めると共にソロバンで計算することもなくなり、最近では見ることも希なモノになってしまいました。
 先日、NHK解説委員室のサイトを見ていたら、海外ではソロバンに関心が高まっているとありました。中国や韓国、マレーシアなどアジア以外にアメリカやブラジル、それに中東の国々など世界の50か国以上で普及し、英語の辞典でも“SOROBAN”が使われるようになったそうです。
 デジタルな時代が進む中、アナログの最たるものであるソロバン。なぜか癒された?気になりました。

  私が会計の勉強をし始めた頃は、計算はほとんど電卓に置き換わっていましたが、それでも試験の時など算盤を使っている人がいました。仕事でも、年齢の高い方はやっぱり算盤。その人達は「算盤の方が早い」と言っていました(私は電卓で算盤に勝つ自信がありましたが・・)。

 しかし、最近は算盤をほとんど見なくなりましたね。今でも小学校で“算盤”の授業があるらしいですが、ほんの一時期だけのようです。

 そもそも算盤は、500年くらい前に中国から日本に伝わったといわれています。当時は上の段が珠2つ下の段が5つのものだったようですが、日本に来てそれが上1つ下4つの珠になり、今、それが日本のソロバンとして世界に広がっているのです。
 なぜソロバンがそんなに人気かというと、英才教育に良いことのようです。
 ソロバンは計算する力がつくだけでなく集中力や忍耐力がつき、学習意欲が高まるなどの効果があると言われます。通常単純な計算は左脳を使いますが、ソロバンを使うと簡単な計算でも左右の脳を使い、脳の発達に効果があるといった研究報告もあるそうです。
 また、電卓では暗算ができるようにはなりませんが、ソロバンを極めた人の暗算力は凄いですよね。
 中東のレバノンでは、急速にソロバン人口が増えているそうです。レバノンで数学を教えていた男性が5年前にそろばん学校を始め、今では国内に20以上、さらには周辺の国々にも塾や学校を開き、生徒の数はあわせて5000人に上っているとか。
 レバノンは長い内戦もあって人口の3倍から4倍のレバノン人が海外で暮らしています。その多くが商人や投資家として活躍し、そうした人たちからの送金が国の経済を支えていると言われています。生き残るためには教育が不可欠で、子どもの学力を上げるためにソロバンを学ばせる人が多いのです。
 太平洋に浮かぶ島国トンガでは、算数嫌いの子どもが多かったことから“楽しく学べるように”と国王自らソロバンを導入しようと日本の先生に依頼し、今では小学校の3年性以上は授業でそろばんが必修となり教科書にも載っているそうです。
 最近、日本の学生の学力低下の問題が取り沙汰されています。
 “ゆとり教育”の弊害といわれていますが、教育にかける時間の問題だけでなく、その中身の問題もあると思います。

 -競争の排除-
 今は競争をしない教育をしています。学力テストの結果発表はしないし、運動会でも順位をつけないそうです。1番を取ろうという気構えが人を育てるのではないでしょうか。もちろん落ちこぼれた人に対するフォローは必要ですが、頑張ろうとしている人の意欲を殺ぐような教育は良くないと思います。2番でなく1番を取る。そのような教育をして欲しいものです。

 -価値観の画一化-
 個々人の個性を伸ばすのではなく、ひとつの枠の中に収まるような教育にも問題があると思います。突出した能力よりも、劣る部分のない人を育てる。これが日本の教育方針だと思います。その枠は誰が決めるのでしょうか? それはそれぞれの人の価値観であり、それは周りから強制されたものではなく、それぞれの人自らが決めるものです。他人に劣ることがあっても他人に優るものが秀でていれば、むしろ社会に対する貢献は大きいはずです。多様な価値観を持った教育をして欲しいものです。

 -“記憶”する教育から、“考える”教育へ-
 今の教育は“覚える”ことが中心のような気がします。むしろ“考える”能力を伸ばすことが重要だと思います。経済が右肩上がりの時代には皆が同じような行動をすることが最大の効能を上げたのかも知れません。しかし、現在は環境変化にどう対応するかを常に考える必要があります。そのためには“考える”能力を開発するような教育が必至だと思います。
 ソロバンは、先にも書いたように計算する力がつくだけでなく集中力や忍耐力がつき、学習意欲が高まるなどの効果があるそうです。kaiketsu2
 道具が何もかも自動的にやってくれる時代ですが、その中で自らの体や頭を使い結果を出す。そのツールとしてソロバンを見直したらいかがでしょうか?
 ソロバンを使うことにより、決して合理的ではないにしても、“考える力”を養い、“新たな価値”を見いだすことにつながるのではないでしょうか?
 デジタル化の陰ですっかり忘れかけていたソロバンの良さを改めて見直したいものです。

 そして、日本の誇れるSOROBAN文化を世界に発信して欲しいものだと思います。

 

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